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追悼:カメラマン、ミヒャエル・バルハウス

追悼:カメラマン、ミヒャエル・バルハウス
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映画カメラマンのミヒャエル・バルハウスが亡くなりました。享年81歳。『ディパーテッド 』(2006)『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2001)『ドラキュラ』(1992)『グッドフェローズ』(1990)など数々の名作を撮っていましたが、数々の傑作キューティー映画も彼によって撮られてきました。


2016年に第66回ベルリン国際映画祭で、功労賞である名誉金熊賞を受賞したドイツ出身のミヒャエル・バルハウスの功績は、同郷でニュー・ジャーマン・シネマの騎手とされた故ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品やマーティン・スコセッシ監督作品で語られるでしょうが、彼の長年のキャリアには当然キューティー映画も含まれています。ここでは彼が撮影監督を務めたキューティー映画をご紹介します。

以下に紹介するのは予告編です。彼の華麗で優雅に動くカメラワークは堪能できませんし、一部画角が間違ってアップされているものもありますが…
ぜひ本編を見てください。どれも美しい画面で素晴らしいです。

プリンスが往年のミュージカル映画、キューティー映画の再現を目指した白黒映画『プリンス/アンダー・ザ・チェリー・ムーン』(1986)

この映画の舞台となったリビエラが題材になった、スティーヴ・マーティン&マイケル・ケイン共演『ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ』(1988)。現在アン・ハサウェイとレベル・ウィルソンでリメイク企画が進行中です。

メラニー・グリフィス、シガーニー・ウィーヴァー、ハリソン・フォード共演のニューヨークのキャリアウーマンを描く『ワーキング・ガール』 (1988)

キャリー・フィッシャーが母親デビー・レイノルズとの関係を書いた自伝を映画化した、メリル・ストリープとシャーリー・マクレーン共演『ハリウッドにくちづけ』(1990)

ジャック・ニコルソンとダイアン・キートン、キアヌ・リーヴスも共演の、中年男女の恋愛を描いたナンシー・マイヤーズ監督作品『恋愛適齢期』 (2003)

ブリタニー・マーフィとダコタ・ファニングが共演した『アップタウン・ガールズ』(2003)

『アップタウン・ガールズ』でのミヒャエル・バルハウスのカメラワークと照明設定は素晴らしいの一言です。彼の晩年の代表作だと思います。
下は、感情表現が下手という設定のダコタ・ファニング演じる少女が、その悲しい気持ちをブリタニー・マーフィ演じる女性に吐露する後半の重要なシーンです。
キャラクターの心情に寄り添った時は背景がボケて、画的に見せたいときは背景も含めてきっちり映っているそのレンズの選び方、さらに夜の遊園地で色々な光の色があるにも関わらず、心情的に悲しい場面なので、ほの暗さを演出している光の選び方、キャラクターの影の作り方(光の当て方)に注目してください。コーヒーカップが回りながらカメラがあがっていくところも素晴らしいです。

こちらの感想文にもそのあたりのことにちょっと触れています。

アップタウン・ガールズ
一見、子供のような大人のモリーとませた子供のレイの女の子同士による友情物語として描かれているように見えますが、実は主人公のモリーの成長物語になっていて、それが実にキューティー映画的です。モリーは最...

ミヒャエル・バルハウスの息子、フロリアン・バルハウスも映画カメラマンです。父親の助手を務めたあと『プラダを着た悪魔』(2006)で独立し、数々のキューティー映画を撮影しています。

ミヒャエル・バルハウスの華麗に優雅に動くカメラワークと光の演出は、彼が携わったキューティー映画の格を何段も上げてくれました。ご冥福をお祈りします。

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