そんな彼なら捨てちゃえば?
Story
ジジ(ジニファー・グッドウィン)は彼氏が出来ず、バーのマスターのアレックス(ジャスティン・ロング)から恋愛指南を受けている。ベン(ブラッドレイ・クーパー)は妻ジャニーン(ジェニファー・コネリー)を愛しつつ、偶然出会った歌手のアンナ(スカーレット・ヨハンソンと不倫関係に。ベス(ジェニファー・アニストン)は長く同棲しているニール(ベン・アフレック)が結婚の言葉を口にせず不安感を募らせていた…Cast
ジニファー・グッドウィン:ジジジェニファー・アニストン:ベス
スカーレット・ヨハンソン:アンナ
ジェニファー・コネリー:ジャニーン
ドリュー・バリモア:メアリー
ブラッドレイ・クーパー:ベン
ケヴィン・コナリー:コナー
ジャスティン・ロング:アレックス
ベン・アフレック:ニール
クリス・クリストファーソン:ロッド(ベスの父)
Staff
製作:ナンシー・ジュヴォネン製作総指揮:ドリュー・バリモア,トビー・エメリッヒ,ミシェル・ワイス,マイケル・ビューグ
原作:グレッグ・ベーレント『そんな彼なら捨てちゃえば』
/リズ・タシーロ[『恋愛修行』
監督:ケン・クワピス
脚本:アビー・コーン,マーク・シルヴァースタイン
撮影:ジョン・ベイリー
音楽:クリフ・エデルマン
Goods
Notes
豪華キャストによる、様々な恋愛模様や生き方を描くストーリーです。原作はTVシリーズ『セックス・アンド・ザ・シティ』の脚本チームが書いた、恋愛のHow To&アドヴァイス本です。それを『25年目のキス』の脚本チームが様々な恋愛模様が織り成す一つの物語として脚色化しました。
企画・プロデュースはドリュー・バリモアの企画会社フラワー・フィルムズが参加。フラワー・フィルムズは良質な企画開発で定評あります。
ドリューはこの映画でジャスティン・ロングと実生活でカップルになりました。実はこの映画での2人の競演シーンはないのですが…ドリューのプロデューサー特権を活かしての出会い、ということでしょうか?(笑)
監督は『旅するジーンズと16歳の夏 トラベリング・パンツ』のケン・クワピス。『旅する…』でも複数の主人公たちが織り成すそれぞれのドラマをバランスよく見事に描いていました。
出演者たちは、そりゃもう豪華です。群集劇として、これだけの面子を集めれば、画面も華やかになります。
元が恋愛相談物ですから、登場するキャラクターの設定が「デートしても焦りすぎて恋愛関係につながらない人」「結婚のタイミングを逃した長い付き合いのカップル」「愛し合っているがなんとなく倦怠期の夫婦」など、それぞれわかりやすくパターン化されています。
序盤では主要キャラクターたちが職場で同僚だったり、友達だったり、互いに微妙に関係しているのを見せつつ、それぞれのキャラクターの今の立場、をカタログ的に説明していきます。
ジニファー・グッドウィン演じる彼氏が出来ない女性がブラインド・デートする相手が、不動産業を営むケヴィン・コナリー。そのケヴィン・コナリーが追っかけているのが、売れない歌手スカーレット・ヨハンソン。スカーレット・ヨハンソンが偶然スーパーで出会い互いに意識するのが、大学時代から付き合ってそのまま結婚した妻をもつ真面目なブラッドレイ・クーパー。ブラッドレイ・クーパーの友人が、長く付き合っている彼女がいるものの結婚しようとしないベン・アフレック。その彼女で結婚願望が強いジェニファー・アニストン。ジニファー・グッドウィンの職場の友人であり、ジェニファー・アニストンと同じ職場であり、ブラッドレイ・クーパーの妻がジェニファー・コネリー。ケヴィン・コナリーの友人でジニファー・グッドウィンの恋愛指南役がジャスティン・ロング。ケヴィン・コナリーの不動産広告を扱っている、出会いをバーチャルなものに求めている編集者ドリュー・バリモアはスカーレット・ヨハンソンの友人…
物語は各キャラクターの中でも一番わかりやすいジニファー・グッドウィンを中心に進みます。とはいうものの、あくまでも物語の骨子としてわかりやすいから中心に置かれいるだけで、それぞれのドラマは均等に絡み合いながら描かれていきます。 ジニファー・グッドウィンの役は一見、現実離れしたカタログキャラ、道化キャラに見えるのですが、それがラストでは身近にいそうな親近感のあるキャラに変貌しています。
人物設定が典型的なフィクション設定なのに、心情描写がリアルなのでどのキャラクターもとても身近な存在で魅力的に描かれることになります。 この計算がこの映画の凄いところです。
例えば、スカーレット・ヨハンソン演じる「売れない歌手」。
キャラクター設定は非常にフィクション的であり身近なものとはいい難いです。しかし制作側が描くのは歌手としてのスカーレット・ヨハンソンではありません。(それが証拠に彼女の歌手としてのシーンはラスト以外ありません。)
描くのは彼女の心情であり、相手との関係の変化です。
彼女は自由に恋愛をしています。しかし自分に自信がなくなると、自分を持ち上げてくれるケヴィン・コナリーのところに行きます。この2人は昔は何度か関係をしているのですが、今はスカーレット・ヨハンソンが絶妙に体の関係をかわして交流しています。ケヴィン・コナリーはすでに関係したんだから、さらに進んだ関係…カップルになりたいのですが、決め手に欠け、うまくはぐらかされ、都合よくスカーレット・ヨハンソンに利用されていると知りつつ彼女を追い続けています。
「ただのいい人」とも違う、関係を持ったのに今ひとつ進展しない関係というのは女性側にとっても男性側にとっても実に身近に響くドラマではないでしょうか? こういった感じで、恋愛エピソードの様々なパターンをカタログ的に見せていたのが、キャラクターの関係の変化や変化を求める心情をリアルに描くことで、それぞれ身近なものとなり、ドラマの進展に深みが増します。
そして最後にはリアリティーあるドラマとキャラクターたち全てに、リアリティーを重視せず、ロマンチックな映画的ハッピーエンドを与えます。 この切り返しがうまい。映画が実に爽やかな印象になります。
こういうオムニバス的構成の映画は、下手すると短編エピソードの羅列で終わってしまいがちです。登場人物たちを リアルに描くと、どのエピソードもエンディングは中途半端になります。リアリティーを追求すると、ドラマとしての終わりはありませんから。なので、その場合は映画として消化不良になってしまいます。
この映画は、一見バラバラに見える個々のエピソードを積み重ねつつ、融合していく展開がとても巧みです。
そしてリアルな心理描写を描きつつも、キューティー映画であることを忘れません。最後は幸せに終わらせる。それがいいです。
製作したワーナーはこの作品のヒットに気をよくして、「有名タレントが多数競演する」「一つのテーマでオムニバス的に展開する」映画シリーズを今後も続けていくようです。








