キューティ・ブロンド
Story
金髪でピンクが大好きなエル(リース・ウィザースプーン)は女性社交クラブの会長を務める人気者。あとは政治家志望の彼氏ワーナー(マシュー・デイヴィス)からプロポーズを待つばかり…。しかしエルは政治家の妻に向いていないという理由で振られてしまう。一発奮起したエルは彼が通うハーバードのロー・スクールに合格。しかしそこではワーナーの彼女となったヴィヴィアン(セルマ・ブレア)のいじめや級友の差別が待っていた…Cast
リース・ウィザースプーン:エル・ウッズルーク・ウィルソン:エメット
セルマ・ブレア:ヴィヴィアン
マシュー・デイヴィス:ワーナー
ヴィクター・ガーバー:キャラハン教授
ジェニファー・クーリッジ:ポーレット
アリ・ラーター:ブルック・テイラー・ウィンダム
ホーランド・テイラー:ストロムウェル教授
ラクエル・ウェルチ:ウィンダム・ヴァンダーマーク夫人
Staff
製作:リック・キドニー,マーク・プラット,ロジャー・ジョーンズ原作:アマンダ・ブラウン
監督:ロバート・ルケティック
脚本:カレン・マックラー・ラッツ,キルステン・スミス
撮影:アンソニー・B・リッチモンド
音楽:ロルフ・ケント
Goods
キューティ・ブロンド (特別編) (ベストヒット・セレクション) [DVD]
販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2007-11-21)
時間:96 分 /1枚組 ( DVD )
Elle Woods #1: Blonde at Heart (Legally Elle Woods)
著者/訳者:Amanda Brown
出版社:Hyperion Book CH (2006-05-01)
Elle Woods #2: Beach Blonde (Legally Elle Woods)
著者/訳者:Amanda Brown
出版社:Hyperion Book CH (2006-07-01)
キューティ・ブロンドのブロードウェイ・ミュージカル版CDです。
Notes
未だに圧倒的な支持を受けている、キューティー映画の代表作品です。キューティー映画を語るときにこの映画抜きでは語れません。もはやスタンダード化したといっても過言ではないでしょう。
今じゃ主役のリース・ウィザースプーンは高額ギャラ女性スターですし、2005年に主演した『恋人はゴースト』も、劇場での女性同士の鑑賞率が実に70%を超えていてデートムービと想定していた配給会社側がびっくりしたといわれるくらい同性からの支持が高い女優さんです。
で、なぜこの映画が、そしてリースが支持をされているのか?
主人公エルの行動の純粋さと誠実さと、それを演じるリースがオーバアクトな天真爛漫さと、一人でがんばる健気さや寂しさをちゃんと演じ分けたところによるものだと思います。
男を追いかけて→いじめを受けて→でもがんばっていじめをはねのけ→やがて男より自分の進むべき道を見出し→友にも恵まれ→一人前として仕事で認められる。
王道のサクセスストーリーですが、重要なのは別にフェミニストでもない主人公エルが、男性を頼らず自分の力で行動し前に進んでいるところです。
この映画、キューティー映画の代表作なのに定番のキスシーンが1回しかないんです。しかも開始早々のみ。
普通、こういう映画の大団円ラストは「恋人とキス」が定番なのに、あえてそうしないところにこの映画の隠れた主題があるように思います。
さらに「エルが男にもてる」という描写が実はほとんどない。むしろ見た目のせいで馬鹿にされるか冷やかされている。
映画の主人公が女という武器を使ってないんですね、言い訳にも使ってない。
だからこそ観ている側はエルに共感し応援したくなる。見た目より中身、しかも言い訳せずに責任のある行動をし自らの力で運命を切り開いている。
実に見事なコンセプトです。これじゃあ誰でも応援したくなります。
主人公のエルが他人の悪口を言わない設定もいいです。
このようにキャラクター設定が徹底されているので、結構破綻のあるシナリオなんですが感情移入して一気に見れます。
これ、キューティー映画では非常に重要な要素だと思います。
観ている人に考えさせるより、共感させることを最重視しているのは、キューティー映画としては実に正しいアプローチです。
この映画は、原作者(ハーバード出身の女性弁護士)の実体験に基づいている話なんですね。
「エルが自分と違う世界(ハーバード)に触れて、そこで自分のなすべきことを見つける」
という内容に説得力があるのは、そういうことからなんでしょう。
「エリン・ブロコビッチ」ほど実体験をリアルにドラマで再現せずコメディーとして脚色することで、見やすくて楽しい、一種の女の子向けファンタジー映画に仕上げたのも成功した要因だと思います。
「振られた彼氏を追いかけてハーバードへ…」という行動動機は原作にない脚色部分でよく考えたらおかしいんだけど、先にも書いたようにキャラクターに勢いがあって些細なことは忘れてしまいますし、なにより娯楽映画として、さらに映画の展開として、主人公の行動動機の導入部としてはとてもわかりやすいシチュエーションです。
監督が27歳でデビュー作というのには驚きました。この映画、たぶんキューティー映画としては低予算な方だと思います。
例えば、主人公が車で街を走っていて、ネイルサロンを見つけて車をUターンさせるところがあるんですが、予算があれば、車のUターンを実際に見せて、他の車が玉突き衝突したりする画を入れるはず。
しかし本作ではあえてそこを直接見せず、上手から車が出てきて、後ろで車がぶつかってる効果音を流すことで「あ、Uターンして周りはシッチャカメッチャカなんだ」と思わせて終わりにします。
こういう演出が随所に見られました。安っぽくならずに少ない予算を効率よく使う仕事をしてると思います。
ただ、指輪がキラーンと光るシーンで、今どきオプチカル合成というのもどうよ…と思いましたが(笑)
これはわざとチープな画で笑いを狙ってますね。
あと、ハーバードの女性教授(ホーランド・テイラー)の気品が素晴らしくいいです。全シーン登場の仕方や抑えた表情がかっこいい。
こういう人が、ポイントで主人公を励ますという展開も実に気持ちいいですね。
そうそう、エルが彼氏に振られた後にいく美容室のシーンで、隣に座っているおばあちゃんの読んでいる雑誌の表紙に、レイチェル・リー・クック主演「プッシー・キャッツ」のメンバーが写っています。プロデューサーが同じでちょっと遊んだようです。
キューティー映画を語るときに「これを見ずして語るべからず」というべき作品 * 1 です。
* 脚注 *
- しかし、残念ながら、続編『キューティ・ブロンド2/ハッピーMAX 』はこの作品が持つ大事なコンセプトをないがしろにしていて全くダメです。「キューティー映画の続編に当たりなし」という格言を思いついたきっかけでもあります(笑) [↑Back]








