マリー・アントワネット
Story
わずか14歳のオーストリア皇女アントワ(キルステン・ダンスト)は戦略結婚でフランスのルイ16世(ジェイソン・シュワルツマン)のもとに「マリー・アントワネット」として嫁ぐ。夢に見た王宮生活はマリーにとっては窮屈なものだった。朝から夜までいつも人の目にさらされて、周りは陰口だらけ。さらには世継ぎを求める声。マリーは気を紛らわせるためパーティー三昧で贅沢の限りを尽くす日々を続ける…
Cast
キルステン・ダンスト:マリー・アントワネット
ジェイソン・シュワルツマン:ルイ16世
リップ・トーン:ルイ15世
ジュディ・デイヴィス:ノアイユ伯爵夫人
アーシア・アルジェント:デュ・バリー夫人
マリアンヌ・フェイスフル:マリア・テレジア女帝
ローズ・バーン:ポリニャック公爵夫人
モリー・シャノン:ヴィクトワール内親王
シャーリー・ヘンダーソン:ソフィー内親王
ダニー・ヒューストン:ヨーゼフ2世
Staff
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ
製作:ソフィア・コッポラ,ロス・カッツ
監督:ソフィア・コッポラ
脚本:ソフィア・コッポラ
撮影:ランス・アコード
衣装:ミレーナ・カノネロ
音楽:ブライアン・レイツェル
Goods
販売元:東北新社 (2007-07-19)
定価:¥ 3,990 ( 中古価格 ¥ 899 より ) / Amazon価格:¥ 2,885
時間:123 分 / 1枚組 ( DVD )
販売元:東北新社 (2007-07-19)
定価:¥ 10,290 ( 中古価格 ¥ 3,200 より ) / Amazon価格:¥ 3,200
時間:123 分 / 2枚組 ( DVD )
Notes
中世の絢爛豪華なベルサイユ宮殿をバックに、80′sニューウェーブが鳴り響き、当時の王朝を現代のセレブになぞらえて描くキューティー映画です。
オープニングに出てくるマリー・アントワネットのイメージがこの映画の全てです。
この画にGang Of Fourの「Naturals Not In It」がかかる…。もうこれだけで十分です。
2007年アカデミー賞衣装デザイン賞にノミネートされただけあって、衣装はほんと素晴らしいです。
きれいだし気品が漂って、でもちょっぴり現代風なアレンジもされていて…
小道具もインテリアも全てが美しく格調高く色彩豊かでカタログを見ている感じになります。
撮影監督はCM・MTV系の人ですが全編写真のよう。衣装とその背景のインテリア、光源設計はとてもきれいでした。実際にヴェルサイユ宮殿で3ヶ月ロケをした成果が出ています。
マリーが友人たちと仮面舞踏会に行くシーンでのSiouxsie & The Bansheesの「Hong Kong Garden」という曲の使い方が面白かったです。
仮面舞踏会のシーンで使われているんですが、イントロを室内管弦楽にアレンジして室内のBGMとして流しておいて、踊りのカットで原曲のパンクになって歌が入る、というのはとてもよかったです。
この映画を見る前に期待していた音楽演出はまさにこれ!という感じです。
しかしこれ以外で80′sをうまく映像と合わせて使ったイメージがあまりありません。ただ鳴っているだけ…
むしろ音楽が一番印象的だったのは夫婦で食事するシーンで流れるヴィヴァルディの「Concerto In G」だったという…
普通の映画なら、民衆の悲惨な生活を描写して対比させて宮殿の生活の浮世っぷりを出すところを、あえて民衆側を一切描かず、宮殿の中のマリーのセレブな生活に焦点をあてるという面白い試みをしています。しかし残念ながら、ダラダラと垂れ流しているだけで凡庸な出来になってしまいました。
監督のソフィア・コッポラはどの作品も雰囲気作り、オシャレなセンスを漂わせるのがうまいと思います。この作品でも中世の物語に現代性のあるものを混ぜて加工するというアイディアは秀悦。
でもそれだけです。この人基本的な演出力は全くありません。全くです。これまでの輝かしいキャリアはすべて親の七光り * 1 以外の何者でもありません。辛らつですが事実ですからしょうがありません。
演出力がない上に構成もメリハリがなく、なにより主人公のマリーのフランスに嫁いで以降の心の動きの変化がちゃんと描かれないので、マリーの14歳から37歳までを描いているはずなのに全部同じに見えてしまい、映画の時間分+αくらいしか時間経過を感じさせません。
マリーが初めて夫と契りをかわして、パッと草原にうれしそうな顔で寝転がったと思ったら出産シーン、という時間省略の見せ方はとても素晴らしかったんですが、こういう切れのいい演出がここくらい。
あとはダラダラ…。編集が妙に間延びしてます。
演出がダメなんですが、主役のキルステン・ダンストはやはり凄い女優です。
14歳のマリーから演じるとは…。
で、違和感がさほどないというのが凄い。
物語のはじめの方で嫁ぐためにフランスに渡る直前と嫁いだ直後あたりの演技が特に素晴らしいです。少女がたった一人で異国で生きていく緊張感、寂しさが見事に出ていて、グングンとマリーに感情移入してしまいました。
14歳のマリーが大事にしていたパグ犬モップス、フランスのカンヌ映画祭でパルムドッグ(パルムドールに引っ掛けたシャレ)賞を取ってます。
祖国の人物を英会話で映画化されたフランスの嫌味も含まれてますね(笑)カンヌではこの映画、不評だったみたいですし。
ちなみに、映画にまつわる史実についてもちょっと書いておくと、マリーが宮廷で押し付けられる窮屈な生活のルールはルイ14世(マリーの夫16世の祖父)によって決められたものです。
また、当時のフランス貴族は入浴の習慣がなかったため、動物の脂を使った非常に濃い匂いの香水をつけていました。しかしオーストリア出身のマリーは入浴の習慣があり、そのため香水は花やハーブなど現代に近い軽い香りのものを使っていました。これが貴族の間で大流行し今に繋がります。
ハンカチを今の形にしたのもマリーです。
自分のおっぱいの形に似せて作らせたグラスが今のワイングラスになったとも言われています。
やはりいつの時代もセレブは流行を作り出すんですね。
そういえば、独身時代に散々パーティーに明け暮れ遊びたおしていたくせに、子供が出来た途端、農園だの無農薬野菜だのオーガニックだのと「癒し」に走るのはマドンナあたりのハリウッド・セレブを連想させます。
ラスト、史実的にどの段階でこの映画を終わらせるのかなと興味津々に見ていたのですが、ここは演出力のない雰囲気のみの演出もどきが効を奏しました(笑)。
宮殿を去るマリーたち、馬車から見たヴェルサイユ宮殿、そして唐突に荒らされたマリーの寝室をポンと写して終わる、というのはこの映画の雰囲気としてはきれいな終わらせ方だったと思います。
もしリアルにやったら、あの後捕まって塔で豪華な幽閉生活をしてそこで子供への教育に熱心になって、でも息子は靴屋に里子に出されて最後はギロチンですから。
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