デンジャラス・ビューティー
Story
仕事一筋のFBI捜査官グレイシー・ハート(サンドラ・ブロック)は、男のように強く正義感あふれる女性。同僚のエリック(ベンジャミン・ブラット)たちは彼女を女として見ていない。ある日、連続爆弾魔がミス・アメリカ・コンテストに対して爆破予告をしてきた。FBIが雇った美容コンサルタント(マイケル・ケイン)に大改造され、美しく変身したグレイシーはミスコンとしてコンテストに潜入し捜査することになる…Cast
サンドラ・ブロック:グレイシー・ハートベンジャミン・ブラット:エリック
マイケル・ケイン:ビクター
ウィリアム・シャトナー:スタン
アーニー・ハドソン:ハリー
キャンディス・バーゲン:ケーシー
ジョン・ディレスタ:クロンスキー
ヘザー・バーンズ:シェリル(ミス・ロードアイランド)
メリッサ・デ・ソウサ:カレン(ミス・ニューヨーク)
デードル・クイン:メアリー(ミス・テキサス)
ウェンディー・ラクエル・ロビンソン:レスリー(ミス・カルフォルニア)
アジア・デ・マルコス:アレーナ(ミス・ハワイ)
Staff
製作:サンドラ・ブロック監督:ドナルド・ペトリ
脚本:マーク・ローレンス,ケイティ・フォード,カリン・ルーカス
撮影:ラズロ・コヴァックス
音楽:エド・シェアマー
Goods
Notes
この映画、女性が美しく変身するシンデレラ・ストーリーのように見えますが、それだけではなく、非常に素晴らしい女性同士の友情映画になっています。女性に対する偏見は、実は同性である女性の方がきつかったりします。
特にミスコンみたいに「水着を着て笑ってるだけ」「しょせん見た目」と思われるものを女性は何かと理由をつけ嫌います。
その立場が主人公で、最初サンドラ・ブロック扮する男勝りの女刑事は徹底的にミスコンとその出場者たちを小馬鹿にし、嫌味を言いまくります。
そのサンドラがミスコンの出場者の立場になることで、徐々に自分が偏見を持っていたことに気付き、ミスコン出場に命をかける彼女たちを認め、最後は友達になるというお話です。
同時に彼女とずっといがみ合いながら美容コンサルティングをしていたマイケル・ケイン演じるオカマや、同僚のベンジャミン・ブラッドらとも、仕事で認め合う仲になっていきます。
サンドラ・ブロック演じる主人公が、自分が嫌っている世界に飛び込むことで、偏見と固い心をほぐし、色んな人たちと交流するなかで成長していく物語でもあるんです。
と考えると、ラストのサンドラがミスコンの友達たちから「Miss Congeniality」のタスキをもらい、拍手を浴び、演説するシーンがとても感動します。
ちなみに原題でもある「Miss Congeniality」は「ミス・好感度(女友達として最高、という意味)」で、実際のミスコンにある特別賞です。
邦題の『デンジャラス・ビューティー』はいいタイトルだと思うのですが、噂では当時話題になっていた「アメリカン・ビューティー」の勢いに因んだのではないかとも言われています。相変わらず日本の配給会社の考えはセコイというか、なんちゅうか…(笑)
制作費が低予算のせいか、ミス・アメリカを決めるコンテストにしては、セットやミスコン役の女優たちなど、全体に安い感じがするのはちょっと…なんですが(笑)、カメラアングルをステージの後ろからとか、上からとか、舞台袖からなど、なるべく客席全体を映さず、普段我々がTVで見るのとは違う視点で、ゴージャスなイベントの舞台裏を見せる感じにして、実際の撮影場所の会場の狭さを広く見せる工夫をしていました。
編集で一箇所解せないのが、サンドラがミスコンたちと仲良くなるために、ダイエットで禁断のピザを勧めてみんなで食べるシーン。
サンドラがピザを食べようとします。出場者のみんなは食べたいけど我慢…でも食べちゃえ!キャ~とピザをみんなで食べることで一気にサンドラと出場者たちの距離が縮まります。で、いきなり夜のクラブで太鼓叩いてワーワーやってるシーンに変わるのですが、ここの繋がりはおかしいです。
太鼓のシーンが完全に不必要だし(いきなりみんなで乾杯してるシーン(グラスのアップとか)に繋ぐよなぁ、普通)、いきなり太鼓しかも顔中ペイントだらけだから観客は「?」となります。なぜ??
CGIも使ってるんですね。ラストの爆弾つき王冠をサンドラが投げた瞬間がCGです。あとはDVDのサンドラの解説を聞くと「へぇ、そんなところにも」と判ります。
DVDのサンドラの解説は、プロデューサーっぽく(彼女はこの作品にプロデューサーとしても参加している)予算の(愚痴)話ばかりしてるのが面白いです(笑)
音楽の使い方はABBAの「Dancing Queen」(スウェーデンのA Teensがカヴァー)とラストにかかるTom Jonesの「She’s A Lady」が素晴らしい使い方をされています。
ミスコンの司会者役が、アメリカ人なら誰でも知ってる『スター・トレック』のカーク船長、ウィリアム・シャトナーという配役は本人の役者としての立ち位置を考えると絶妙でした。この映画、他にもさらりと男性向け映画(ダーティー・ハリー、スターウォーズ、アルマゲドン)のパロディーを遊びで忍ばせていますね。
オカマの美容コンサル、マイケル・ケインの優雅さと高慢さはもう素晴らしくて、ちゃんとマイケル演じるビクターの、栄光から転落した現状などの悲哀や人への優しさを出してるところが素晴らしい。
マイケル・ケインとミス・ロードアイランド役のヘザー・バーンズのおとぼけと和みキャラが、この映画を柔らかく楽しくしています。
とにかく、この映画を「よくあるハリウッド映画」とか「先がミエミエでありがち」とか、したり顔で語って批判している人は恥じた方がいいと思います。
と書いている筆者自身が、実はそう思ってた一人なんですが(笑)
いや、ほんと反省します。素晴らしい友情映画です。





