ペネロピ
Story
イギリスの名家の一人娘ペネロピ(クリスティナ・リッチ)は家の呪いのため豚鼻だった。屋敷から一歩も外へ出ることなく成長したペネロピは真実の愛で呪いが解かれることから何度もお見合いをするがみなペネロピを見ると逃げ出してしまう。記者レモン(ピーター・ディンクレイジ)はスクープ写真を狙って金目当てのマックス(ジェームズ・マカヴォイ)をペネロピのもとに送り込む。マックスに恋するペネロピだったが…
Cast
クリスティナ・リッチ:ペネロピ
ジェームズ・マカヴォイ:マックス
キャサリン・オハラ:ジェシカ・ウィルハーン
リチャード・E・グラント:フランクリン・ウィルハーン
ロニ・アンコーナ:ワンダ
サイモン・ウッズ:エドワード・ヴァンダーマン Jr.
ピーター・ディンクレイジ:レモン
リース・ウィザースプーン:アニー
Staff
製作:リース・ウィザースプーン,スコット・スタインドーフ,ジェニファー・シンプソン
監督:マーク・パランスキー
脚本:レスリー・ケイヴニー
撮影:ミシェル・アマテュー
音楽:ジョビィ・タルボット
Goods
販売元:ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント (2008-09-17)
定価:¥ 3,990 ( 中古価格 ¥ 599 より ) / Amazon価格:¥ 3,860
時間:103 分 / 1枚組 ( DVD )
Notes
リース・ウィザースプーンの企画・製作会社「type A films」による作品です。完成してから公開するまで1年近くかかりました。
「呪いによって豚鼻で生まれた女の子」というファンタジーな内容なんですが、立派に1人の女性の自立映画であり、恋愛映画であり、人は外見ではないというテーマの普遍的な内容を持った素晴らしい寓話です。ぜひ多くの人に見てもらいたい映画です。
誰かを頼って自分を変えようとしても、それは「自分勝手」です。誰かの評価が欲しいから何かをしても、それは「自意識過剰」です。ペネロピは誰かに頼ったりしません。誰かのために何かしたりしていません。全て自分を変えるために自ら行動します。その結果、ペネロピの周りの人々も自然と自分を見つめなおし変わっていくことになります。最終的に物語に悪人はいなくなります。
そのペネロピを演じるクリスティーナ・リッチの大きな目の演技が素晴らしくいいです。
大きな目がクルクルと色々なことを訴えかけるので豚鼻のペネロピが全然不自然に見えないし、むしろ豚鼻のペネロピが愛くるしく見えてきます。中盤、ペネロピはマフラーで鼻を隠したままですが、マフラーで首の動きが制限されている分、妙に目の演技や行動がかわいいんです。
途中、リース・ウィザースプーン演じるバイク便のおネエちゃんにベスパに乗せてもらって街を走りまわるシーンがあります。普通ならペネロピから見た街の風景を描写しますがここでは一切しません。後ろに乗せてもらってキョロキョロ見回すペネロピのアップを映し続けます。技術的な制約もあったのでしょうが、ペネロピを映し続けることでこの映画らしさが出てました。結果的に正解だったと思います。
ちなみに、プロデューサーでもあるリース・ウィザースプーンの出演は…ペネロピの友人役なんですが、いまひとつ劇中で存在を活かしきれず、扱いも中途半端でもったいないキャラクターでした。
ペネロピが屋敷からはじめて外の世界に出るシーンは音楽、映像処理の演出が素晴らしくマッチングしていて感動的です。
門を開くと広がる新しい世界…というのはこの手のシーンの定番ですから、こちらもある程度どんな画面が出てくるかは予想済みです。それでもなおこのシーンが予想を裏切って感動的なのは、ペネロピの心象風景に合わせてはじめて見る街の情景をリアルに映すのではなく、デジタル処理で迫り来るオブジェとして、さながら飛び出す絵本のように表現しているからなんです。だからペネロピの気持ちと同様、観客も「うわぁ~!」という感じで街をびっくりしながら観る体験が出来るんです。
ペネロピがホテルの部屋をとってそこから街を眺めるシーンでも別の見せ方ですが、同じ演出論でやってます。
この映画、上品なユーモアで全編を包みつつ、適度にちょっとした感動シーンで繋いでくるのがもう…卑怯なくらい小粋でうまいんですよ(笑)後半の構成はちょっと説明的なんですが、気持ちが入り込む演出が多いので気になりません。
マックスがペネロピとはじめて出会うシーン、ピアノを弾くマックスの手のアップにスッとペネロピの手が入ってきて…という演出はうまいなぁ、とうなりましたし、お父さんのペネロピへの愛情もユーモラスだけどグッときますし * 1 、ラストのペネロピとマックスの再会&キスシーンをあえて素顔のペネロピにしない * 2 ところなど、実にうまいんですが、さらに感動したのがラストのラスト、幸せなペネロピとマックスを遠くから写真に収めようとしてやめる、豚鼻のペネロピをスクープしようとしていた新聞記者レモンで映画を締めるところです。
このラストを見たとき、この映画の裏主役がレモンで、レモンの見た目がこの映画のテーマにシンクロしてるんじゃないかと考えました。
レモンって、見た目はアイパッチで小人なんです。ぶっちゃけフリーキーです。そのレモンがペネロピを追っていくうちに自分自身の行為に疑問を覚え、反省し、最後はペネロピを見守るいい人になっていきます。と同時に見た目フリーキーなレモンが後半、とてもかっこよく誠実でいい人に見えてきます。豚鼻のペネロピと同じです。見た目ではなくその行動、気持ちの誠実さがその人自身を表して輝かせるのです。
ペネロピの相手役、マックスを演じるジェームズ・マカヴォイのイケメンダメ男ぶり、ペネロピへの気持ちが入っていく理由などもちゃんと描かれてて存在感がよかったです。
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