
高級デパートの手袋売り場で何となく勤めているミラベル(クレア・デインズ)。慎ましい1人暮らしで彼氏もいない。部屋では絵を描くことが楽しみだった。ある日ミラベルは若く情熱的に求めてくるジェレミー(ジェイソン・シュワルツマンと手袋売り場で出会った物静かな中年のお金持ちレイ(スティーヴ・マーティン)と出会い、2人と付き合うことで毎日が充実し始める…
クレア・デインズ:ミラベル
スティーヴ・マーティン:レイ
ジェイソン・シュワルツマン:ジェレミー
ブリジット・ウィルソン:リサ
サム・ボトムズ:ダン
フランセス・コンロイ:キャサリン
レベッカ・ピジョン:クリスティン
製作:アショク・アムリトラジ,ジョン・ジャシュニ,スティーヴ・マーティン
原作:スティーヴ・マーティン
監督:アナンド・タッカー
脚本:スティーヴ・マーティン
撮影:ピーター・サシツキー
音楽:バーリントン・フェロング
販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2007-09-07)
定価:¥ 3,990 ( 中古価格 ¥ 60 より ) / Amazon価格:¥ 1,198
時間:107 分 / 1枚組 ( DVD )
スティーブ・マーティンが原作小説を書き、映画化の際は脚本まで書き、さらにヒロインと恋愛するかっちょいいIT企業の社長を演じるという、スティーブ・マーティンによるスティーブ・マーティンのための(笑)ちょっと大人っぽいキューティー映画です。
喪失感を何かで埋めようとする壮年の男を演じるスティーブ・マーティンの感情を抑えた演技が見事です。
この映画は、元気で貧乏でアクティブに求めてくる青年と、お金持ちで大人のたたずまいで静かに求めてくる中年の間を揺れ動きながら自分探しをする女性の話です。静かに淡々と描写するので、ハッピーで明るい雰囲気はさほどありません。
一流ブランド店の地味な手袋売り場に勤め、学生時代の奨学金返済をしながら、1人小さなアパートで絵を描きながら暮らす主人公女性の寓話に、同性の観客は共感し主人公に自分を重ねるでしょう。
観客が自己投影すべき主人公が、自分が何もしなくても勝手に事態が好転していく「都合のいい展開」は、現代の寓話として理解できますが、人によっては単に「都合のいい話」に見えてしまうかもしれません。
映画全体のトーンが妙にリアリティーを追求している分、お話の展開のご都合主義の部分が変に目立ってしまいました。
自分を絶対的に信用して愛してくれて、自分のしたいことを応援してくれる男と、お金をたくさんもっててダンディーなおじさまの両方とも向こうからのアプローチで愛してもらえるのですから…
都合がいいっちゃいいですね(笑)
ヒロインに猛烈アタックをするジェレミー役のジェイソン・シュワルツマンがこの映画では唯一ポジティブなキャラクターで、彼の人の良さが映画を柔らかくしてくれています。じゃないと、1人暮らしのOLと金持ちおやじの刹那的な恋愛だけだと息が詰まりますし。
彼が、自分が勤める会社が作っているスピーカーを使うバンドのライブに同行しているシーンは別の映画か?と思わせるくらいエピソードが軽妙です。スティーブ・マーティンはコメディーとはいかないまでも、ユーモアのバランスを考えたんでしょうか。
オープニングの口紅などのコスメの間をぬうようにして動くカメラアングルはフルCGです。
あと、ヒロインが独りの部屋でおやすみを言って寝るときに、カメラがグワ〜〜っと真上に引いて、そのまま夜空に輝く星の一つになるというシーンもCGですが、いずれもロマンティックなシーンを優雅に演出していていいCGの使い方だなぁ、と関心しました。