バレンタインデー
Story
2月14日のロサンゼルスには様々なカップルがいた。花屋のリード(アシュトン・カッチャー)は同棲中のモーリー(ジェシカ・アルバ)にプロポーズ…飛行機で隣合わせになった軍人のケイト(ジュリア・ロバーツ)とホールデン(ブラッドリー・クーパー)は意気投合…教師のジュリア(ジェニファー・ガーナー)は恋人のハリソン(パトリック・デンプシー)の出張先へ…結婚50年目の夫婦の秘密…みんな意外な展開になっていく…Cast
ジュリア・ロバーツ:ケイトアン・ハサウェイ:リズ
ジェシカ・アルバ:モーリー
ジェニファー・ガーナー:ジュリア
ジェシカ・ビール:カーラ
エマ・ロバーツ:グレース
テイラー・スウィフト:フェリシア
カーター・ジェンキンス:アレックス
ブラッドリー・クーパー:ホールデン
アシュトン・カッチャー:リード
パトリック・デンプシー:ハリソン
ジェイミー・フォックス:ケルビン
エリック・デイン:シーン
トファー・グレイス:ジョシュ
クイーン・ラティファ:エリン
ジョージ・ロペス:アルフォンソ
ヘクター・エリゾンド:エドガー
キャシー・ベイツ:プロデューサー
シャーリー・マクレーン:エステル
Staff
製作:マイク・カーツ,ウェイン・ライス監督:ゲイリー・マーシャル
脚本:キャサリン・ファゲイト,アビー・コーン,マーク・シルヴァースタイン
撮影:チャールズ・ミンスキー
音楽:ジョン・デブニー
Goods
Notes
監督のゲイリー・マーシャルといえば、『プリティ・ウーマン』『プリティ・プリンセス』などでジュリア・ロバーツ、アン・ハサウェイをスターにしたキューティー映画の巨匠です。TVドラマ「Lの世界」シーズン4で、ジェニーというメインキャラの書いた小説が映画化されるという話があります。そのとき監督として呼ばれるのが巨匠ゲイリー・マーシャル。しかしジェニーは自分の作品をキューティー映画ではなくもっと芸術的に撮ってほしいと言い出し、それを聞いたゲイリー・マーシャルが怒るというエピソードがあります。セルフ・パロディーを演じるゲイリー・マーシャル。おちゃめです(笑)
そんなゲイリーは映画の後半、トファー・グレイスがアン・ハサウェイのために用意した楽団員の一人を演じています。
日本では『プリティ・ウーマン』のヒット後、この人が撮るキューティー映画は原題に「Pretty」が付いていなくても、とにかく邦題で『プリティ』を頭に付けられてしまいます(笑)
例えば
ジュリア・ロバーツ&リチャード・ギア再びの『Runaway Bride』が『プリティ・ブライド 』
アン・ハサウェイを一躍スターにした『The Princess Diaries』が『プリティ・プリンセス』
当時、キューティー映画の新女王と言われていたケイト・ハドソンの『Raising Helen』が『プリティ・ヘレン』
といった具合です。
今回ももしかしたら邦題が『プリティ・バレンタインデー』となるのかな?と思いました(笑)
なんせ「プリティ・シリーズ」のジュリア・ロバーツとアン・ハサウェイが共演してますから。
共演といえば、同じ画面には映りませんがジュリア・ロバーツと姪のエマ・ロバーツ。エマはキューティー映画系の主演を何本もこなしていて、もはや「ジュリアの姪」と言わなくてもいい女優さんになっています。
エマの友人役に、今一番ティーンに人気があるカントリー歌手 * 1 のテイラー・スウィフト。
テイラー・スウィフトの出演はてっきりちょい役だと思っていたのに、ジェシカ・アルバより長い時間出演する役とは思いませんでした。今風の見た目でちょっと頭の足りないけど、実はとっても純情な高校生の役です。
スタッフロールのNG集にも、テイラー・スウィフトの彼氏役として共演していた『ニュームーン/トワイライト・サーガ』で一躍注目を集めたテイラー・ロートナーと出て「2人ともテイラーだからどっちが呼ばれてるかわからないわ~」とか言ってます(笑)
さらにこの映画、スタッフロールが終わった後、最後の最後に映像が1カット入るのですが、そこにもテイラーは出てきます。サントラにも歌を提供してますし、テイラー大活躍です。でもテイラーの役って本編の流れ的にはあまり関係ないのですが…。
ちなみにこのスタッフロール中に出てくるNG集や没カットの最後、リムジンに乗ったジュリア・ロバーツが言うセリフにはニンマリですね。ここのセリフ、聞きようによってはとんでもないちゃぶ台返しなことを言ってる * 2 ようにも聞こえます(笑)
「ロデオ・ドライブで買い物をしたことは?」
「あるわ。(以下省略)」
だいたい本編中、ジュリアが「リムジンに乗って会いたい人の元に向かう。しかも運転手がそれなりに事情を察した理解者。」というシチュエーションが『プリティ・ウーマン』の裏返しですし。
そうそう、劇中にビバリー・ウィルシャー・ホテルが出てきますが、ここは『プリティ・ウーマン』の舞台になったホテルでしたね。
メインのストーリーはアシュトン・カッチャーを中心に進みます。アシュトン・カッチャーの親友にはジェニファー・ガーナー。
当初、この映画には『幸せになるための27のドレス』『男と女の不都合な真実』と主演作が続くキャサリン・ハイグルがキャスティングされていたのですが、出演料で折り合いがつきませんでした。もし出演していたら、ジェニファーが演じていた役がキャサリンの役だったんじゃないかな~と想像してしまいます。
この映画、とりたてて大げさなエピソードがあるわけでもありませんし、話がグーっと収束する派手な展開があるわけでもありません。互いに関係のない色々な人たちの何気ない1日のエピソードを、群集劇として淡々と見せつつ、それがゆったりとアシュトンを中心に収束していくのですが、その辺のユルさが実に気持ちよく、それでもちゃんとそれぞれに1ポイントずつ小粋な見せ場が後半に用意されているのは、さすがベテラン、ゲイリー・マーシャルならでは。
ゲイリーの映画には毎回出るヘクター・エリゾンドは、今回シャーリー・マクレーンと夫婦です。
シャーリーはヘクターにずっと隠していたことがあり、その真実を語ります。それを聞いてショックを受けたヘクターがいうセリフが
「ひとつの真実を知ることで、これまでの真実が全部嘘になってしまった…」
いいセリフだと思います。
映画の終盤、ハリウッドに実際にある有名人の墓地、ハリウッド・フォーエバー・セメタリーで行われる映画上映会のシーンがあります * 3 。
劇中、シャーリーは女優だったという設定なのですが、そこで上映されている映画は実際のシャーリー・マクレーンが1958年に出演している『Hot Spell(日本未公開)』。この映画でシャーリーがキスするシーンをバックに、手前でヘクターとシャーリーがキスするのを重ねるなど実に小粋でした。
ヘクターとシャーリーが仕事で不在の母親の代わりに面倒を見ている男の子が出てきます。まだ小学生なのですが、好きな女の子に送るカードの音楽が「When A Man Loves A Woman(邦題:男が女を愛するとき」。渋すぎる…(笑)
けど、映画後半、この男の子が同じサッカークラブで仲良しのインド系の女の子を評価するときがもっと凄くて、字幕では「彼女、マニアックな音楽とか詳しいんだ!」となっていましたが、実際は「彼女、フランク・ザッパとかも知ってるんだ!」と言っています。
小学生のくせにフランク・ザッパに詳しいって…どんな女子ですか(笑)
この映画、色々な人の恋愛模様を描きつつ、何気に人種のるつぼL.Aを描写しています。
アシュトン・カッチャーの相談役はラテン系のジョージ・ロペスですし、アシュトンが通う卸市場には中国人、日本人が花を売ってますし、アシュトンの花屋にはブルガリア人の女性が来ていて、アン・ハサウェイの電話のお客はロシア人のようですし、後半、物語の舞台はインド料理屋で展開します。
そういや、この映画で唯一すんなり新しい恋をする男性は黒人のジェイミー・フォックスのみですね。白人男性陣はみな一筋縄ではありません。
ちなみに花の卸市場のシーンで、アシュトンと仲良く話す日本人女性はKazumi Nakamuraさんという方。imdbを見るとアフレコ要員としてがんばっておられるようです。ゲイリー・マーシャルの映画では『プリティ・プリンセス2』のときにアン・ハサウェイの友人役で出ています。
* 脚注 *
- 今のカントリーはソフトで爽やかなロックという感じで、一般的なイメージのカントリーとは異なります。 [↑Back]
- 「これまでの人生で最悪の買い物だったわ」というのが『プリティ・ウーマン』出演の否定にも聞こえます。 [↑Back]
- 実際、ハリウッド・フォーエバー・セメタリーでクラシック映画の上映会は行われているのですが、調べてみると開催期間はバレンタインデーではなく初夏のようです。 [↑Back]



