ヴァレー・ガール
Story
高級住宅地に住むヴァレーガールな女の子ジュリー(デボラ・フォアマン)は、今日も友達たちとショッピングや男の子のこと、恋の話に夢中。 ある日、ジュリーはパーティーで偶然知り合った街の不良ランディ(ニコラス・ケイジ)と出会う。あっという間に恋に落ちる2人。しかし不良とつきあうのを友達に反対されたジュリーは、悩んだ末ランディを振ってしまう。ジュリーなしでは生きていけないランディは再度猛アタックを始める…Cast
ニコラス・ケイジ:ランディデボラ・フォアマン:ジュリー・リッチマン
コリーン・キャンプ:サラ・リッチマン
フレデリック・フォレスト:スティブ・リッチマン
エリザベス・デイリー:ローレン
リー・パーセル:ベス
Staff
製作:ウェイン・クロフォード,アンドリュー・レイン監督:マーサ・クーリッジ
脚本:ウェイン・クロフォード,アンドリュー・レイン
撮影:フレデリック・エルムズ
音楽:マーク・レヴィンサル,スコット・ウィルク
Goods
Notes
まずDVDジャケットで並んでいる主役2人は、本編では全く違う髪型と衣装です。ジャケットの2人の格好は何?特にヒロイン、本編ではショートカットやん。どういう意図があるんだ??かなり謎です(笑)
さて、この映画を語るにはまず「ヴァレー・ガール」という言葉を知る必要があります。ちょいと説明をば。
ヴァレー・ガールとは80年代初頭、LA郊外の「San Fernando Valley」という高級住宅地に住むお金持ちのお嬢様ギャルとその文化を指す言葉です。日本で言うところの「渋谷ギャル」(←古!)みたいなもんですか。
彼女らはギャルっぽい独特の言い回しと価値観を持っていました。
「みたいな〜」「まじでっ?」「ちょ〜最悪っ」っぽい言い回しに特徴があります。 * 1
キューティー映画としては、80年代『ヴァリー・ガール』、90年代『クルーレス』、00年代『ミーン・ガール』と見ていくと、それぞれの時代でのティーン・ガールズの流行が見えます。
で、このヴァレー・ガールを自分の娘ムーン・ザッパに演じさせ、その会話をもとに「Valley Girl」という曲にしたのが偉人フランク・ザッパ。
ザッパを語ると大変なことになるので省略しますが * 2 、大統領に立候補するんじゃないか?とか言われたくらい凄い存在の人なんです。けどヒットチャートの常連になるようなタイプの人ではありませんでした。しかし、そういう人が唯一ヒットチャートを賑わせたのがこの「Valley Girl」です。曲自体もとってもポップ(?)でドライブ感もあって聞きやすいです。
この曲のヒットがさらにヴァレー・ガールという存在を知らしめる結果となりました。
さて、映画の話に戻します。
この映画、冒頭で「はい、ヴァレー・ガールってこういう子達のことですよ〜」と分かりやすく提示していまして、ショッピングモールでの女の子達の会話が実にヴァレー・ガールちっく。ここはぜひ彼女らの特徴である、独特の英語の言い回しに注目してもらいたいと思います。
その後、ビーチで日焼け、家に集まってのパーティー、そして不良のニコラス・ケイジらに連れられてLAのサンセット・ストリップ通りからライブハウス、映画館、女の子の部屋、そしてラストはプラムパーティー…
ファッションも言動も風景も、映画全体が80年代初期のアメリカ西海岸文化目白押しです。
話の展開は、中盤あたりニコラスとデボラがイチャイチャしているシーンがダラダラと続いて長くて単調です。その分、後半が展開が色々変わるのにやたらと早足になってしまいます。
20分刈り込んで90分以内にテンポよくまとめたほうがよかったと思います。
後半に入るあたりで、デボラが「友人の手前、不良と付き合うより元彼の方がいい。」と考え始めニコラスをふるのですが、これは彼女がヴァレー・ガールとして考えれば…と理解出来るんです。
しかし、苦渋の決断の末別れたのに、その後まるで記憶喪失にでもなったかのようにニコラスと付き合う前と同様、ニコラスを避け続けるのが変。「嫌っているふり」なら判るんですが。
この映画、現代版「ロミオとジュリエット」にしたいというのは感じ取れるんですが(デートシーンで映画「ロミオとジュリエット」を見るというシーンがあります。)、ちょっとカップルの引き離し方と、そのエピソードに割く時間がシナリオ上強引です。
ニコラスがヒロインらをライブハウスに連れて行って「パーティーで聞いてたテクノポップなんて軟弱だ!ロックだよ、ロック!」と言うシーンがあるのですが、そこで演奏しているのは今見ると「いや、そのロック、80年代のペラペラのニューウェーブやん。」と(笑)
ライブシーンで出演していたプリム・ソウルなんて誰も覚えてない((90年代に再結成しています))ですと思いますが、こういうバンドが画面に出てくると当時の時代性を強く感じられ80年代を改めて実感します。
この2年後だったら、このライブハウスもLAメタルだらけになっていたんでしょうね。 * 3
この映画はニコラス・ケイジ初主演映画でもあります。
ニコラスは不良の役のくせに、やたらとジェントルマンなんですよ。不良役にしてはちょっとなぁ、という感じです。
ニコラスはフランシス・フォード・コッポラ監督の甥っ子なんですが、それまでの彼はその七光りで「映画に出してもらっている」レベルでした。この映画では一見そこから脱却したかのように見えますが、ヒロインの両親がともにコッポラの代表作『地獄の黙示録』出演組。何か関係があるのでしょうか??
あると思います * 4 (笑)
* 脚注 *
- 言葉の頭に「like」「gag」などをよく入れます。ニュアンス的には「みたいな」「ていうかんじぃ〜」という感じですね。 [↑Back]
- ザッパについては、その功績があまりに多岐に渡るため、その全てを記したページは国内にありません。比較的網羅していると思われるこちらをご参照ください [↑Back]
- 80年代の中盤から後半にかけてサンセットストリップはLAメタルにとっては聖地でした。 [↑Back]
- 映画業界におけるコッポラ一族の力は強大です。たいした才能のない娘、ソフィアの不可解な活躍を見れば分かります(笑) [↑Back]





