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11.10.28

反恋愛主義

cue


『君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956』を撮ったハンガリーの女性監督が、その前年に作ったキューティー映画です。

この映画の中で、シャーンドル・チャーニ演じるプレイボーイ男優のタマスと、ゾルターン・セレス演じる誠実な作曲家ピーターが、車の運転中、色々な女と寝て名前を忘れたとき、とっさに何という名前を呼べばいいか、というのを話すシーンがあります。
このときタマスの台詞の字幕で「『キューティー』と呼べばいい」みたいなことが表示されます。

この字幕の『キューティー』という言葉、普通は使いません。2005年に私が生み出した造語です。
日本語としては『キューティ』が正しい表記です。JIS規格では3文字以上の場合、語尾を延ばす「ー」は省略すると定められています * 1
『キューティー』の最後の「ー」はラブコメのちょっと間の抜けた感じを表現するため、わざと日本語的に間違った使い方をしています。このサイトを翻訳者さんが見ていてくれたのでしょうか?それとも単に日本語の使い方の間違い?(笑)前者だったら、ちょっぴりうれしいので勝手にそう思うようにします(笑)。

映画に話を戻しまして、オープニングの演出から、ハリウッド映画以上にポップな演出で見せてくれます。
オープニングのスタッフロールをネットのサイトのイメージで、ポップアップメニューや、プルダウンメニュー、リンク文字などに模して見せてくれます。とても小粋でナイスアイディアでした。
ただ、インターネットとこの映画は全く関係ないのですが(笑)
映画を見終わって考えると、このオープニング、舞台台本 * 2 とかにしたほうが良かったんじゃないかと。

各キャラクターのちょっとした特徴づけが実に巧みです。登場人物全てが魅力的に描かれています。
ユーディト・シェル演じる主人公ドラを想う作曲家ピーターは、いつも何かをチョコっとこぼしている、という設定です。そのオッチョコチョイぶりは、ギャグとしても、ピーターというキャラクターの親しみ感の表現にも、とても有効に作用します。

カタ・ドボー演じるゾフィは舞台の主演女優で、ちょっとお高くとまった女優然としたキャラクターとして登場します。
このゾフィーがドラの友人、しかもかなり親しい間柄という設定を、ゾフィーが登場したシーンの次で、カフェに1人いたドラのところにサッと来て「今日誕生日でしょ?」と有無を言わさずドラにパフェをおごる、ということで表現していたのには実に素晴らしかったです。
互いに気を使わず、何でも話せる親しい女友達の間柄というのが、このゾフィのちょっとした行動でわかります。こういう何気ない演出や芝居がこの映画では多数ありました。

劇中の音楽が素晴らしいです。サントラがないのが非常に残念。
本国ハンガリーの公式サイトの「Let?lt?s」コーナーで2曲聞けます。
さぁ、ここからはたぶんに推測が入るので、情報として間違っている可能性があります。ご了承ください。(ハンガリーに詳しい方がおられたら、ミスの指摘や訂正、情報をお願いします。)

なんせ

ハ ン ガ リ ー 文 字 な ん て 読 ん だ こ と な い も ん で (笑)

ラスト、ゾフィーが下手糞に歌う歌(エンディングでも流れます)は「Boldogs?g, gyere haza!」という名前の曲です。
[youtubehql]aT0pgCvBXrA[/youtubehql]
「Let?lt?s」コーナーの「Film Zen?je(mp3)」で聞けます。
映画ではイルディコー・ケレステシュ * 3 (Keresztes Ildik?)という人が歌っています。
[youtubehql]FO8te7Z8bl0[/youtubehql]
どうもかなりのスタンダード曲のようです。曲のタイトルの意味は…ちょっと調べたレベルなのですが、「幸せ、やってこい!」みたいな感じでしょうか??ラストのゾフィーの行動を見ると、そういう内容の歌だから歌ったのかなぁ、と。
youtubeで、曲のタイトルを使って検索すると、続々と色々な人が歌っている映像が出てきます。
Cserhati ZSuzsaという往年のベテラン歌手も歌っています。彼女は2003年に亡くなっています。
[youtubehql]D6eUdMYzL3k[/youtubehql]
色々調べてみたのですが、この曲がスタンダード曲なのか、Cserhati ZSuzsaのオリジナル曲だったのか、そのあたりがはっきりしません。

もう1曲は、「Boldogs?g, gyere haza!」のあと、続けてエンディングで流れるポップロックな曲です。かっこいいです。曲名は「Nem kell Bonbon」
[youtubehql]4RwX4BNR9qU[/youtubehql]
わかったのはタイトルまで…。バンド名が分かりませんでした。

ハンガリーという国は日本の我々にはなかなか馴染みはありませんが、ちゃんと定石をふまえた、しかもかなりのレベルのキューティー映画が作れるようです。要注目ですね。


  1. マイクロソフトが2008年にカタカナの表記ルールを勝手に変更しましたが。 [Back]
  2. 主人公は舞台脚本家ですし、物語は舞台の準備から本番まで同時進行で描かれています [Back]
  3. ハンガリーの人名は日本と同じ姓・名の順で表記です。なので英語だと逆になります。 [Back]

ソカテゴリー:Review
タグ:オデール・ヨルダーン, オントル・チョプコー, カタ・ドボー, カーロイ・ゲステシ, ガーボル・カロミシュタ, ガーボル・ヘッレル, ガーボル・マダラース, クリスティナ・ゴダ, シャーンドル・チャーニ, ゾルターン・セレス, ブダ・グヤーシュ, マールタ・マールティン, ユーディト・シェル, ラースロー・シンコー, レーカ・ディヴィニ
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